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三郷原牧場 養豚漫遊記(分娩豚舎①)

もっけです。上野です。

豚の横顔

いきなりですが、
養豚業界では農場規模のことを母豚(お母さん豚)の数で表現します。
三郷原牧場は、現在550頭のお母さん豚を飼育しています。
お母さん豚は1年間に約2.4回の分娩をします。
つまり私たち特に分娩豚舎担当者は、一年間に1320腹(2.4回x550頭)の分娩を見守るわけです。
私たちの仕事は現在ウィークリーといって1週間で1周するような仕事方法を採用しています。
これは、曜日でだいたいの仕事が決まっているということです。
生き物相手だと休みがない、朝が早いなど想像してしまいますが、しっかり準備していればそんなことはないです。
もちろんイレギュラーはありますが、それはどんな仕事にもあるのかなと思います。
今回は、分娩豚舎について少しご紹介できればと思います。

分娩豚舎について

養豚の教科書に記載されている分娩豚舎の内容をお借りしますと「分娩豚舎は、母豚が子豚を生み育て、離乳までの間を過ごすための場所です。出産を控えた母豚にストレスを与えないよう、快適な環境を与え、かつ子豚が安全に生まれ、暖かい環境で過ごせることが最大の役割となります」
と記載があります。
私たちの仕事は、快適な環境づくり、母豚や子豚のお世話係といったところでしょうか。

分娩豚舎とは、母豚が分娩する場所、つまり病院みたいな位置付けですね。清潔な環境に整え、外から菌を入れない努力が必要です。また、快適な環境づくりといっ
ても、母豚と子豚の快適温度はそれぞれ18度、30度と差があります。それを同じ空間の中で作り出す必要があります。また、空気が悪くてもいけませんから定期的な換気も必要で、その際も気温や湿度など気にしなければ豚にストレスがかかることもあります。

分娩豚舎の様子

先ほどの計算だと、1週間に平均で25腹の分娩があります。
順調に分娩する豚もいれば、難産が起きたり、予定日より早く生まれることもあります。一回の分娩で13頭程度は産みますから、分娩後は疲れて熱を出すこともあります。日々の給餌(えさやり)や身の回りの掃除などを行いながら、豚を一頭一頭見て、それぞれに適した対応をすることが求められます。なんせ豚は話せませんから、私たちは豚を見て彼らの求めていることを汲み取らないといけません。

母豚の体重はだいたい200kg、それに対し、子豚は1.3~5kgで生まれてきます。健康な母豚は落ち着いています。元気な子豚はお乳を飲んでお腹がふっくらし、毛並みも良いです。かわいいです。

子豚は生まれてから約1ヶ月弱この分娩豚舎で過ごします。母豚と子豚を見守りながら、アンテナを張って最適な環境を維持することがここでの仕事になります。

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