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いつの間にか年末の足音が聞こえる時期になってきましたね。
朝晩の寒暖差は人にも豚にも堪えます。
豚の体調変化に注意しつつ、世話をする私達も体調管理していきます。
少し前の話になりますが、三郷原牧場の堆肥をより多くの方に知ってもらう新たな取り組みが始まりましたので紹介させてください。
そもそも私たちの堆肥と一般的な堆肥との違いは、豚ぷんに木質を加え完熟させていることです。こうすることで腐植成分というものが多く作られます。この耳慣れない“腐植”という言葉ですが辞書によると“土壌微生物の活動により動植物遺体が分解・変質した物質の総称“とあります。ますます何のことだか分からなくなりそうですが、つまり森の土みたいなものだと思っていただければよいと思います。私達はこの堆肥を腐植土と呼んでいます。この腐植に土壌を良好にする働きがあるのです。
また、豚ぷんに混ぜている木質は庄内地域の企業から廃棄物として出てくる廃菌床やおがくず、もみ殻です。そもそも豚ぷん自体も養豚を行う上で出てくる副産物であり、廃棄物です。そんな廃棄されるものたちが時間と手間をかけることで価値のあるものに生まれ変わるのです。そして資源の地域循環を考えたとき、やはり庄内に住んでいる方々にこの腐植土の有効性を知ってもらい、農業成績の向上や生活を豊かにする為に役立ててもらいたという思いは常にありました。
そこでこの腐植土を使って花苗を作ってくださっている農家さんと一緒に「お花の苗マルシェ」を10月の末に開催しました。主に花苗と腐植土を販売するイベントです。広大な土地に堆肥を撒く田んぼや畑作と違って鉢やプランターに植える花苗は腐植の効果を実感しやすいといいます。
また、腐植土を混ぜた土に種を蒔くと発芽率が向上するなんてお声もありました!より多くの方に腐植土のことを知ってもらうには花苗はうってつけなのではないかと考えたのです。腐植土と園芸用土を混ぜて、そのまま鉢植えなどに使える土も新しく商品展開しました。
秋の羽黒山のふもとで開いたマルシェは、寄せ植えワークショップがあったり、温かいスープやガーデニンググッズのブースがあったり、見に来てくださった方々もゆったりと楽しい時間を過ごしていただけたのではないでしょうか。親子でワークショップに参加してくださった方やサイクリング途中で寄ってくださった方もいました!普段消費者の方と触れ合う機会のない私たちにとっても腐植についてお話しできる貴重な時間となりました。
私達の本職は養豚で、堆肥事業は豚ぷんの処理費用がまかなえればという位置づけで創業当時から行っていましたが、時間をかけ、いろんな方に知識を分けていただくことでたくさんの人に喜んでもらえる商品になるのだと改めて気付かされました。
今回のマルシェも多くの方のお力添えをいただきました。新しいご縁もありました。この経験を励みに、豚ぷんを生産してくれている豚さん達の健康がまずは第一だという初心を忘れず日々の仕事に励んでいきます。
この日選んでくださった花苗が、少しでも皆さんの生活にいろどりを加えてくれていると嬉しいです。
これからも定期的に開催していく予定ですので、花が好きな方も、育てたことはないけど興味がある方も、興味はないけどちょっと森の空気を吸ってみようかという方もぜひ遊びに来てください!
このブログでも告知させてもらいますね。